2025年6月の「昔ばなし語りの会」
2025年6月29日(日)13:30~15:00
上田創造館 民俗資料館で、「 昔ばなし語りの会」を開催しました。
聴衆28名、スタッフ含め42名の皆さんにお聴きいただきました。
囲炉裏の間の土間が狭いため、手前の展示室も利用して聴いていただいていますが、顔が見えない難点があります。隣の広間ではモニターに映し、椅子も並べてています。こちらに積極的に案内するよう努めたいと思います。冷房が効き過ぎていて寒かったという声もいただきました。配慮したいと思います。
演目・お話の内容は、以下のとおりです。
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寒九の風
寒に入って9日目の風を瓢箪に詰め、土用に栓を抜いて涼む和尚。留守中に小僧が栓を抜き空にしてしまう。代わりに詰めたものは…。
金箱陽子
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ケマコシネカムイ
川を遡上する鮭を見つけた狐。一足先に穴熊に獲物を横取りされてしまう。両者に引っ張られた鮭は終いには裂け、返り血を浴びて毛が染まる。
塚越紗衣
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おしらさま
馬と夫婦になった娘。怒った父親は馬を殺し皮を剥ぐ。娘は馬の皮を纏い天に昇る。残されたのは蚕の種。オシラサマは、馬と娘の一対の木像神。
坂井弘子
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へびの子しどこ
子のない爺婆が「しどこ」と名付けて育てた蛇の子。野に放たれ、大きな池を作って姿を消すが、お花見に来て池にはまった名主の娘を助ける。
坂井 弘
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姨捨山の夜泣き石
歳をとって山に捨てられた老婆。一晩中泣き明かして石になる。通りがかった弘法大師の念仏で石が二つに割れ、中から血が流れだす。
中村安子
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八百屋の頓知
和尚に代わって、大本山の僧の禅問答を受けて立った八百屋。先手を取って出した難題は、「こくだいのげひぼんなん」「こうむのなた」。
稲垣勇一
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クスケー由来
金持ちの主人が、男の子が生まれたのを喜び、背を向けて路傍に座る女に声をかけ、家に呼び入れて三線を弾いてもらうが、その正体は…。
小林寛恵
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口を焼かれた蛭
九兵衛の田仕事を手伝った男の子が、蛭に食われ足から血を流して消えてしまう。帰り道、地蔵の足が泥にまみれ血を流しているのに気づく。
市川和枝
お聴きいただいたみなさんからの感想です。
◦ 毎回楽しみに来ています。
「寒九の風」動きもついて、楽しい話だった。頭をつかって難をのがれた小僧さんを生き生きと語っていた。
「ネマコシネムカイ」まじめな語り口だった。一言一言、ことばを大事にしていた。
「おしらさま」やさしい語り口で、ききやすかった。せつないお話だった。
「へびの子しどこ」力強い語り口で、ぐいぐいと話にひきこまれた。緊張感が伝わった後、ほっとした終わり方だった。
「姨捨山の夜泣き石」説得力がありました。
「八百屋の頓知」体全体でお話を表現されていて、お芝居のようでした。キャラクターがきわだっていました。おもしろいお話でした。
「クスケー由来」珍しい沖縄のお話をきかせてもらいました。鼻ゴーゴー、耳ゴーゴーの意味がよくわからなかった。はやしことば? 力強い話し方だった。やはりことばはむずかしい。
「口を焼かれた蛭」一言一言伝わるように、ていねいに語っていた。久兵衛さんの日頃のおじぞうさまへの思いが伝わり、やさしいおじぞうさんにほっとしたお話だった。
いろいろなおはなしをきかせていただいて、ありがとうございました。おもしろいおはなしでした。
◦ なつかしいホッとする昔話をおききし、やすらぎました。ありがとうございました。がんばってくださいませ。
◦ 「寒九の風」笑いがあって楽しかったです。お話を覚えるのも大変なのに、すごいと思います。お話のストーリーが目にうかびました。
◦ これからも、いろいろなところで、いいお話を続けてください。
◦ 女の人が圧倒的に多いんで…。場所がちょっと狭い。司会のお姉さんも含めて、長い間やってる人もいるねえ。涼しくてよかった◦ネタを毎回変えてるみたいだけど、大変じゃないですか?「寒九」という言葉を覚えました。
◦ 語り手の皆さんのお顔が見えない席で少し残念でしたが、その分声に集中できて、皆さんの優しい語りにいやされたひとときでした。ありがとうございました。全国各地の民話に触れ、良い機会でした。
◦ 豊かな時間をありがとうございました。
「寒九の風」わくわく感と期待に応えてくださる感じが、とても楽しかったです。
「ネマコシネムカイ」自然との一体感。みんな同じ。神さまも自然も動物も私も…。それがとても心地よかったです。
「おしらさま」呼吸といいますか、言葉と言葉の間合いが、とりはだでした。
「へびの子しどこ」お人柄ごとお話が届きました。
「姨捨山の夜泣き石」肝からの声というのは、身体をふるわせるのだと感じました。私自身が北信の出身ということもあり、とてもひびきました。
「八百屋の頓知」先生がお話なのかお話が先生なのか、一致というか一体感に、なんともいえない心地良さがありました。
「クスケー由来」沖なわの世界観が、ぐっと身近に感じられました。それが地域ごとに民話というものがあって、その土地の風を感じるということだと思いました。
「口を焼かれた蛭」ひとことひとこと大切に語られて本当に景色がよく見えました。瞬間瞬間、まるで物語の点に居られました。
◦ 大変楽しく聞かせて頂きました。全国各地の民話、興味深かったです。冷房が少し強かったようです。
◦ いつも楽しみにしております。三中で稲垣先生にお世話になりました。これからもよろしくお願いします。
「おしらさま」おもしろかったです。
◦ 2回目になります。皆さんの声に引き込まれます。それぞれの話が個性的で良かったです。知らない話が多く、こういった活動を通して、次の世代にも語りつがれていけばいいなぁと思います。今の子ども達には難しい内容なので、もう少しわかりやすいお話もあったらいいなぁと思います。
◦ 様々な地域の話を聞くことができて、とっぷりと日本の風景の中に入り込むことができました。いい語りでした。それぞれの声、間合いの取り方、リズム、話し選び、それぞれの空気の中に浸ることができました。勉強になりました。ありがとうございました。楽しかったです。
◦ いろんな地域の民話が聞けて良かったです。面白い話・悲しい話、いろいろあり良かったです。ありがとうございました。
◦ 学校のこわい話をききたいです。(小学生)
◦ 今回、初めてです。子育ての頃を思い出しながら楽しみました。また来たいと思いました。
◦ 悲しい話が前半続きましたが、胸が熱くなるような語り口で良かったです。とんちの話もとても良かったです。
◦ 一話一話お話が楽しく、吸い込まれてしまいました。とても良かったです。ありがとうございました。
◦ 語りの皆さんの話し方に温かさを感じ、引き込まれました。心にゆっくりと沁み入り、特に中村安子さんの「姨捨山の夜泣き石」は印象深かったです。
◦ 初めて参加させて頂きました。皆様一生懸命に話されて、その中に入っていってしまいました。本当に楽しい時間、ありがとうございました。
◦ 信州以外の民話もありがとうございました。
「クスケー由来」沖縄のお話、ドキドキしながら聞きました。いんしょうに残りました。
「姨捨山の夜泣き石」聞けて良かったです。
どの昔ばなしも良かったです。ほっこりとした語りに、ほっこりしました。ありがとうございました。