2024年6月の「昔ばなし語りの会」
6月30日(日)13:30~15:10
上田創造館 民俗資料館で、「昔ばなし語りの会」を開催しました。
今回のテーマは、「今、語りたい、伝えたい民話」。各々の語り手が、"語りたい""伝えたい"思いをもって選んだ民話です。
聴衆は、途中から顔を出してくださった方も含め36名。いつものことですが、メイン会場の"囲炉裏の間"には入りきれず、隣の区画でモニターを通してご覧いただいた方・お子さんも多数いらっしゃいました。
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あずきとぎ
泣きべそかきを捕って食うあずきとぎ。みかん釣りして遊んでいた兄弟の末っ子が、みかんを取れずに泣いていると・・。
市川和枝
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猫檀家
和尚さまに可愛がられていた猫が、和尚さまに恩返し。葬式を上げられず困り果てていた長者の葬式を無事執り行う。
豊田美和子
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おおかみの眉毛
狼に食われて死のうとした男に、狼が眉毛をくれる。かざしてみると、人間の本性が見えてくる。
金箱陽子
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五郎びつ
半人前の五郎が10年かかって石櫃に蓄えた米が干ばつの村を救う。一人分足りないことを悟り五郎は人知れず姿を消す。
坂井 弘
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八幡様の狐
子どもが策略を巡らせ、八幡様の境内に出る狐をおっかさんに化けさせ、背負っていった木箱に閉じ込めて退治する。
中村安子
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へび女房
見てはならぬと言われた出産の場を覗き、女房は蛇と知る。身を隠した蛇は、自身の目玉をくり抜いて子に舐めさせる。
小林寛恵
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クチナシの娘
クチナシの精が女房になり甲斐甲斐しく働くも、約束だった頭に水をかけることを怠ると、痩せ衰えて姿を消す。
坂井弘子
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花野の娘
花野で出会った娘の骸骨に招かれ娘の法事に顔を出した老爺が、娘の悲しみを解きほぐし、遺族を花野に案内する。
稲垣勇一
 
お聴きいただいたみなさんからいただいた感想です。
◦ 「あずきとぎ」始まりの泥っかすの子どもの声がリアルでした。
 「猫檀家」低音が魅力の声でした。
 「おおかみの眉毛」とても不思議なストーリーでした。
 「五郎びつ」心穏やかに聞いていましたが、最後に急展開の災害の話への人情物語。自然災害の備えの大切さを学びました。
 「八幡様の狐」お話の後の逸話もおもしろかったです。母親のことが気になりました。
 「へび女房」母親の愛の大きさを伝える話でした。
 「クチナシの花」毎日のあたりまえの生活の大切さを教える話でした。
 「花野の娘」普段の生活が大切なお話でした。
◦ 毎回楽しく拝聴させて頂いております。今回も穏やかなひとときを過ごさせて頂きました。昔話に聴き入り、毎日の大変な事や気持ちを流して頂き、すっきりとした自分になりました。ありがとうございました。
◦ 亡き母は真田の出。小さい頃、あずきとぎのこと、聞かされました。おりこうにしていないと連れていかれると。十数年たった今、大変懐かしく聞かせていただきました。狐にだまされた人がたくさんいたとか。長野(上田方面)の民話の話、たくさん聞きたいと思いました。
◦ 久々に聞きました。活字を追うとはちがい、とても楽しめました。結末が気になりドキドキしました。ありがとうございました。
◦ 8人の語りにひきこまれてしまいました。1時間30分はあっという間に過ぎてしまいました。またの期の語りの会、楽しみにしております。お互い加齢の身です。お体大切に、よい話を長くお聞かせください。
◦ みんな お話がむずかしかった。「クチナシの娘」が一番むずかしかったけど、帰ったら、娘はクチナシの木だったということがわかった。「五郎びつ」は、最後に五郎がいなくなったのは、食材が一人分足りなくて、自分がいなくなれば足りると五郎が思ったって思いました。おもしろかった。(小6)